株式超シンプル投資法「安く買って高く売るだけ」を実践した結果

株価上昇チャート20170318

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)

17年分の記録から実証する株式投資の王道

こんにちは、月のマグマです。

先日、保有していたアツギ(3529)株の最後の一単位1,000株を売却して保有残高がゼロになりました。

アツギを売却して利益確定

月のマグマにとって同株はさして大きな自己資金を傾けた銘柄でもありませんし、資産構成残高からすれば非常に微少な投資先に過ぎません。

しかし、同株を最初に購入したのは2000年のことであり、実に17年の長きにわたって投資をしてきたことになります。

17年間つきあえば見込み違いや想定外のことも含めて、自分の投資法や哲学があちこちにその痕跡となって残ります。

今回売り切ったことでひとつの区切りとなったことでもあり、また月のマグマ的投資法の良いサンプルになると思い、今回その売買の一部始終をご紹介することにしました。

最初は目をつぶって買ってみる

月のマグマの投資法はといえばいわゆるバリュー投資、財務健全で安定的な企業で尚且つ配当利回りに魅力のある出遅れ株を買っていくスタイルです。

月のマグマ的株式投資の王道を公開する

買った株が下がった場合はナンピン買い下がりで株数を増やしていくのが月のマグマ流なのですが、最初の一株を買うタイミングは意外と難しかったりします。

もう少し下がるかも知れないと思って様子見をしているうちに株価が上がってしまい買い逃してしまうということは実に良くあることです。そのため、主に配当利回りで見てこの水準まで来たら買おうと先に決めておいて、株価がその水準まで来たら「えいやっ」で買ってしまうのが良いと思います。

購入後値下がりしたら順次ナンピン買いをする

最初の一単元を買った後に値下がりしたらここぞとばかりにナンピン買い下がりをして行きます。

どの位下がったら次を買っていいのかについては、その銘柄の株価水準や全体市況、それに自分の資産規模にもよるため一概には言えませんが、月のマグマの場合最初の購入額から1割程度の下落を目処にナンピンを開始するようにしています。

下記は月のマグマのアツギ(3529)の2000年以来の全取引履歴です。

年月日 価格 株数 年月日 価格 株数
2000.4/17 111 1,000 2004.2/6 102 1,000
2000.5/29 101 1,000 2004.4/2 121 1,000
2001.7/24 88 1,000 2004.4/13 139 1,000
2001.12/14 65 1,000 2004.9/7 182 1,000
2009.1/8 123 1,000 2012.11/7 110 1,000
2010.8/12 102 1,000 2012.11/7 126 1,000
2011.3/15 92 1,000 2013.1/23 130 1,000
2011.7/29 98 1,000 2013.11/20 118 1,000
2013.4/25 117 1,000 2013.12/10 125 1,000
2013.5/24 114 1,000 2014.12/3 119 1,000
2013.6/3 109 1,000 2015.3/19 124 1,000
2013.6/7 100 1,000 2015.3/19 124 1,000
2014.5/30 105 1,000 2017.3/13 143 1,000

2000年4月17日に111円で購入後ちょうど一割程度下がった5月29日に101円でナンピン買いしているのが分かると思います。その後も適宜間隔を開けてナンピンしているのが分かると思います。

2000年当時は今ほど投資資金が大きくなかったため一単元づつ買い進めていますが、3回目以降のナンピン買いでは買う株数を増やしていくといいと思います。そうすることで含み損も急速に増えるようになりますが、株価が反騰した時の利益が格段に大きくなります。

今にして思えば2001年12月14日の65円の購入など底の底なわけですから一気に10,000株くらい買っておければ良かったと思います。まさにタラレバの極みですが、こうした反省を次にいかすためにも投資の振り返りは時々しておくと良いと思います。

また、こうした底値でまとまった株数を買うことは大変な勇気を必要とします。そのための銘柄選定は本当に大事であり、何より重要視すべきなのが財務体質であるとをしつこいほど強調する理由がここにあります。こうして安くたくさん買うことが後の利益の源泉となります。

時間を味方につける

購入後株価が停滞してしまい上昇もしなければナンピン買いのチャンスとなる下落もしないということもよく起きます。そんな時どうすればいいのか、答えは「何もしない」です。

常に実績を残さなければいけない機関投資家やトレーダーと違い個人投資家には何のノルマもありません。そのため自分があらかじめ買いたいと思っていた価格になるまでただただ待っていれば良いのです。

株式投資のビギナーにありがちなのですが、いつでも何かしらの取引を行っていないと落ち着いていられず、売買を繰り返してしまう人がいます。

一見たくさん取引をして細かいながらも利益を積み上げているように見えますが、実は大きな上昇局面の初期で売ってしまっていることが多く、じっくりと待つタイプの投資に比べて利益を出せないことになります。

相場は自分の思惑とは無関係に存在していることをよくよく肝に銘じ、自分の希望価格まで来るまでじっと待つことが大事です。またこういった場合でも配当を継続している銘柄であれば配当をもらい続けながら何年でもおつきあいすることが出来ます。その意味でも銘柄選定がやはり大事なのです。

株の売り時と売り方について

では、購入した株はいつどうやって売ったら良いのでしょうか。

株の売りは買いよりも難しいとよく言われます。株の究極の下値は1円です。倒産しない限りそれ以下にはなりません。それに対して上値に上限は無いので、どこまで上がるかはまったく予想がつかないのです。そのため、売る基準を自分で決めておかないといけません。

購入価格よりも1割上がったら売るのが良いのか、倍になったら売るのか自分で決めなければいけません。

これも個別銘柄ごとや相場環境によって一概には言えないのですが、月のマグマの場合、最低でも予想配当額の3年分は確保できる利益が出るまでは売らないようにしています。

3年という数字にこれといった根拠はありませんが、3年後というのは相場場環境や金利水準などが現在からはイメージできない未来という印象があり、とりあえずその予測できない期間分までの取り分は確保できるということで一応の売り根拠と考えています。

もちろん5年分10年分の配当収入を確保できるならばそれに超したことは無いのは言うまでもありません。

売りについての手法も買いとまったく同じ考え方で行います。一度に売らずに間を開けて順次売っていきます。買いの時に下がるほどに株数を増やしていった場合は、売りの時もまったく同じく、上がるごとに売り数を増やしていけば良いと思います。

atsugi-trade2000-2017

上記の図はアツギ(3529)の全売買記録をチャート化したものです。2001年12月14日に4回目の買いを行ってから4回連続の売りとなりましたが、月のマグマ式手法が大変成功した例といえます。

2004年9月7日に最後の1,000株を182円で売却していますが、これなどは当時予想できなかった高値であり、その前に一括で売却してしまっていれば実現出来なかった高値売却だと言えます。

売却後の買戻しの時が一番危ない

すべての持ち株を売却した後や、まだ持ち株を売り切っていないのに下落局面を迎えた場合はどうすればいいか。その場合はまた買い局面が訪れたと考えて買っていくことになります。

しかしここが株式投資をするなかで一番気をつけなければいけない局面となります。

これについては過去の記事にも書きました。

失敗する株式投資には共通点があった

上昇局面を迎えた最中や後というのは、それまでの上昇の恩恵を受けて売却を進めた結果、現金がふんだんにある状態になります。

そのため株を買いたい、現金ポジションを減らしたいという気持ちが潜在的に強くなっています。そのためどうしても買い急いでしまいがちです。

また、利益を出させてくれた銘柄には好印象が残っているため、少し下がっただけで惚れた銘柄の買い戻しチャンスとばかりに買い出動してしまいます。

しかし、上昇局面を経て充分に高値を取った株というのは、当然のことながらその分下値余地も大変大きくなっているものです。一時の調整を経て再上昇してくれれば何の問題もありませんが、潮目が変わり本格的な下落局面入りしてしまった場合、大きな含み損を長期間かかえることになります。

後から考えればなんであんな高値で買ったのだろう、と思うような高値で買うことになってしまうのです。

月のマグマのポートフォリオにおいても、現在どうしようも無い含み損をかかえてしこらせている保有株のほとんどがこういった場面で買い出動してしまったものです。

先ほどのアツギの売買チャート図をもう一度ご覧ください。2004年9月7日に高値182円で売却した後、充分に下がったと思って次に買い出動したのが2009年1月8日で123円での購入となっています。

高値での売却後実に4年半を経過して、株価も3割以上下落したのでもう大丈夫だろうと買ったのですが、それでも結果的に早かったのです。

その後も下落は止まらず2011年3月15日に92円で購入するまで下がりました。結局最安値は同月に84円までありました。この時は資金がもったため、最安値近辺までついていけましたが、もう少し早く買い出動してしまっていたらまったく違った投資結果になっていたかも知れません。

結局123円で買ったこの時の分が最後まで売れ残り、この2017年3月に実に6年の歳月を経てようやく売却することができたわけです。

182円まで行った株が123円で買えるという思考法は危険です。このことは何度強調しても強調し過ぎることは無いくらい大事なことです。忘れないでください。あくまで123円が割安なのかどうかを考え抜いて買わなければいけません。

保有株は購入平均単価では無く個別価格で管理する

その後も株価の上下動に合わせて、安くなったら買い、高くなったら売りを適宜繰り返して利益を上げていくことになります。そうした投資をしていく中で大事になるのが持ち株の購入価格の管理法です。

一般的には買値が異なる同一銘柄に対しては、総平均法によって自らの買い単価を求め、その単価を目安に含み益や含み損を計算し、最終的には売却行動をとることになります。

税務署への確定申告に際しても、この方法で算出した利益に基づいて所得申告することを求められますので自然と、この方式で管理することになりがちです。

これに対して月のマグマは持ち株の買値について、一単位株づつ買った時の価格で管理しています。例をあげると、同一銘柄を200円で100株、100円で100株買った場合、多くの人は単価150円で200株自分は保有している、という考え方をします。月のマグマの場合あくまでも200円で100株と、100円で100株所有していると考えてその後の売却行動等を決めます。

これについては過去記事でも触れています。

保有株にTOBがかかった時におきること(後編)

この考え方の違いはその後の売却行動に微妙に影響してきます。さきのほどの例でいくと、平均法で考えていると、この株が150円まで値を戻した時に、「ようやく自分の買値まで戻ってきた」と考えます。

これに対して月のマグマ式個別管理法だと、「200円で買った分は50円の含み損状態だが、100円で買った方は既に50円の利益が出ている」と考えます。

そうすると平均法で考えていると長い下落局面により含み損であった株が回復してきて平均単価を上回ると、「やっと含み損が消えた」と言って全株売却・撤退をしてしまいます。

上の例だと160円になったところで全部売って肩の荷を下ろしてしまうのです。これを相場用語で「やれやれの売り」といいます。それに対して月のマグマ式個別管理法だと150円の段階で100円で買った分を売ってしまう可能性はありますが、200円で買った方は200円以上になるまで持ち続けます。

さきほどの月のマグマのアツギ売買チャートでは、それぞれの売りがどの買い分を売却したのかを矢印で表しています。個別に「この分をこのタイミングで売った」ということが分かるように示してあります。

この考え方と平均法の考え方はどちらが優れているということは無く、一長一短があると思います。

個別管理法だと、先ほど言ったように高値をじっくり追いやすい反面、株価のボトムからの回復局面での早売りに繋がり易いことは認めざるを得ません。しかし、そういった心理的不利を抱えやすい手法だということを自覚して使えば大変有益な考え方だと思います。

何より月のマグマが平均法による持ち株管理の嫌いな点は、持ち株の単価に小数点以下の割り切れない数字が出て、切り上げ、切り捨てをしなければいけない点です。自分の保有株やそれを売った売却代金については1円単位まで間違い無く把握したいのです。そういった性格の方にはお勧めしたい手法です。

17年間での総利益総額

最後に全期間を通じアツギ(3529)に投資した結果得た利益を記そうと思います。もちろん月のマグマ式個別株価管理手法によるものですので、課税ベースの利益確定額ではありません。こちらの方がガチで計算したまさにネット(純)利益になります。

売却益一覧

年月日 売値 買値 株数 利益額
2004年2月6日 102 65 1,000 33,128
2004年4月2日 121 88 1,000 26,705
2004年4月13日 139 101 1,000 30,377
2004年9月7日 182 111 1,000 59,155
2012年11月7日 110 92 1,000 17,062
2012年11月7日 126 98 1,000 25,462
2013年1月23日 130 102 1,000 25,025
2013年11月20日 118 100 1,000 16,750
2013年12月10日 125 109 1,000 14,040
2014年12月3日 119 105 1,000 11,611
2015年3月19日 124 114 1,000 6,534
2015年3月19日 124 117 1,000 3,534
2017年3月13日 143 123 1,000 12,593

売却利益総合計:281,976円(税引き後)

全期間配当収入総額:48,450円(税引き後)

総利益:330,426円

これが多いと見るか少ないと見るかは皆さんのご判断にお任せいたします。

まとめ

ここまで書いてきた月のマグマの考える王道的株式投資についてまとめてみたいと思います。

  1. 財務健全で倒産リスクの小さい有配株を選ぶ
  2. その銘柄を配当利回りに魅力を感じられる水準でまず買ってみる
  3. さらに値下がりすればナンピン買いをする、目安は株価1割の下落
  4. さらに下がれば順次ナンピン、株数を増やしていくのも良い
  5. 買い場、売り場を急いで求めないじっくりと希望価格まで待つ
  6. 売る時も分割売り、最初の売り目安は配当3年分の確保
  7. 売却直後の買い直しには充分に注意すること
  8. 購入した株の単価管理は個別で

こまごまと書いてきましたが基本はやはり安く買って高く売ることです。そのためには安くなるまで待つ、高くなるまで待つという非常に地味で根気のいる姿勢が求められます。

株式投資の王道とは売買のテクニックや特別な銘柄選択眼の獲得などでは無く、いかに基本に忠実に長期間実践できるかどうかということだと思います。

追記 日本バルカー工業を全株売却完了したので投資結果を振り返る

2017年7月に日本バルカー工業の持ち株を売り切りました。こちらも検証記事を書きました。

【最後に】経費(手数料)に敏感になる

投資にかかる経費(手数料)に無頓着でいてはいけません。

投資信託で財を成したという人を聞いたことが無い理由は、高い手数料負担があるからです。

銀行や証券会社が二言目には投資信託を勧めて来るのは、それが投資家自身の為になるからでは無く、銀行や証券会社に取ってうまみのある商品だからです。

投資にかかる手数料という意味において個別株に優るものはありません。

売買時の手数料以外に一切の経費がかからないからです。

選ぶべき証券会社については、今時対面証券を使う人などいないでしょうから、大手のネット証券から選べばどこも遜色は無いでしょう。

そうは言ってもネット証券間での手数料の差や、受けられるサービスの差は残ります。

1社どこを選ぶかと問われればSBI証券 一択といえるのでしょう。

なんだかんだ言って業界NO.1は伊達ではありません。

業界最低水準の手数料とこなれた操作性、ほぼ全方位的なサービスの提供とぬかりありません。

また、不定期に販売される社債「ソフトバンク債」や「SBI債」が購入できるのもSBI証券の大きな強みです。

ゼロ金利でどこに預けても雀の涙のような金利しか得られない現状において、これら債権の利回りは大変魅力的です。

預貯金と株式投資の間に位置するミドルリスク・ミドルリターン商品として一定の額をこれらに置いておくのは資産管理上懸命な判断だと思います。

社債残高画面イメージ201811

月のマグマも大いに利用して不労所得を得ています。

これらの社債を買うためには、元々SBI証券に口座を持っていないと申し込めないため、あらかじめ口座を開設しておくことをお勧めします。

これから新規に口座を開設して株式投資を始めようという方はSBI証券にしておくのが良いでしょう。

月のマグマもずっとSBI証券 をメイン口座として使っています。

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

シェアする

フォローする

関連コンテンツユニット



コメント

  1. […] | FX2ちゃんねる|投資系2chまとめ株式超シンプル投資法「安く買って高く売るだけ」を実践した結果デイトレード初心者のための「銘柄選び」の基本 | […]