保有株にTOBがかかった時に起きること1

こんにちは、月のマグマです。

国内製鉄4位の日新製鋼が、同首位の新日鐵住金にTOB(株式公開買い付け)されることになりました。

元々新日鐵住金は長年日新製鋼の筆頭株主でしたが、今回のTOBにより51%まで持ち株比率を高めて、子会社化することが目的です。

TOBで目標とする株数が集められなかった場合は、その不足分を補う目的で、第三者割当増資を日新製鋼が新日鐵住金に対して行うことが決定しており、子会社化は規定路線となっています。

ただし、上場廃止を伴う100%子会社化では無いため、子会社化後も上場は維持され、引き続き日新製鋼株は市場で売買が可能です。

TOB価格は1,620円で、薄いながらもプレミアムが乗っています。

ここ最近の製鉄業界は、中国の過剰設備・過剰生産を遠因とする、市況のダブつきを背景に非常に事業環境が厳しく、業界再編への圧力が常に働いている状態でした。

そもそもの今回の買い付け者である新日鉄住金も、2012年に業界首位の新日鉄と当時3位の住友金属工業が合併して出来た会社ですし、当の日新製鋼も同じく2012年に日本金属工業と経営統合し、今に至っていました。

もっと言えば現在この新日鉄住金グループには業界3位の神戸製鋼も属しており、さらに言えばこうした業界再編の口火となったのは2001年に川崎製鉄と日本鋼管の経営統合によって業界2位になった、JFEグループ(後にJFEホールディングス)の誕生でした。

さらにさらに遡れば新日鉄も八幡製鐵と富士製鐵が1970年に合併して出来た会社です。

つまり鉄鋼業界の歴史とは長い時間をかけた合併の歴史であり、国内においてはそろそろその最終段階へ来たかなという状態が現在だ、ということになります。

今回の子会社化により両社は、生産設備の集約化や各種合理化を進め、年間約200億円程度のシナジー効果を見込むとのことです。

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TOBに応じるかどうかは自由意思

先ほど書いた通り、日新製鋼は子会社化後も上場は維持されることになります。

そのため、子会社化後シナジー効果により、日新製鋼の企業価値があがりTOB後の株価が、買い付け価格である1,620円以上になる、と考えればTOBには応じず保有継続すればいいということになります。

逆にそうは思わず、1,620円という買い取り価格に、充分に魅力を感じるならば、応じれば良いということになります。

どう行動するかは、完全に株主ひとりひとりの価値判断に委ねられていることになります。

私、月のマグマも日新製鋼の株主です。本来は長期投資を旨としていますが、今回のTOBには一部応じるつもりでいます。

長株式投資の王道とは【最終解答版】

記事が長くなったので2度に分けます。

続き記事:保有株にTOBがかかった時に起きること2

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