ここのところ全体相場がかなり下げてきていますので、相対的に個別株式への投資妙味が増してきています。
そんな中、もし今このタイミングで個別株式投資をはじめると仮定した時に買うべき王道銘柄をチョイスして、ご紹介したいと思います。
目次
2017年4月16日現在月のマグマ選定高配当株式銘柄ベスト10
月のマグマが買ってもいいと考える銘柄選定となるため、必ずしも配当利回りが高い物から順位が高くなっている訳ではありません。
選定の基準は以下の通りとなっています。
- 東証一部上場企業
- 大企業であること、今回の足切り条件は時価総額300億円以上
- 好財務体質、今回は自己資本比率40%以上
- 高配当利回り、今回は3.4%以上
これに現在の株価水準、そして月のマグマの個人的な好みでランキングさせていただきました。月のマグマの投資スタンスや銘柄選定基準については、下記の過去記事でも扱っています。
尚、以下のランキング記事中の予想利益・配当等は全て最新の会社四季報2017年第2週から抜粋しています。また、銘柄名・証券コードの次の★や☆マークは対象株の月のマグマの保有状態を表しています。
★マークは現在保有中、☆マークはかつて保有したことがある銘柄を表しています。
第10位:新光電気工業(6967)☆
時価総額 | 1,057億円 |
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自己資本比率 | 73.5% |
PBR | 0.81 |
現在の株価 | 683円 |
予想1株あたり利益額 | 16.3円 |
予想1株あたり配当額 | 25円 |
予想配当利回り | 3.66% |
半導体パッケージやリードフレームと呼ばれる半導体に使われる部品の大手メーカー新光電気工業が10位にランクインしました。
自己資本比率70%超えでPBRも1倍以下、配当利回りも3.66%と大変魅力的なのですが、予想配当額を予想利益額が上回っていないことが唯一残念なところです。いわゆる「たこ足配当」状態です。たこあし配当は必ずしも投資を避けるべき条件ではありませんが、好ましいことでもありません。そのため10位というランクになりました。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第9位:リョーサン(8140)☆
時価総額 | 1,127億円 |
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自己資本比率 | 67.5% |
PBR | 0.92 |
現在の株価 | 3,335円 |
予想1株あたり利益額 | 134.9円 |
予想1株あたり配当額 | 150円 |
予想配当利回り | 4.50% |
独立系半導体商社大手のリョーサンが9位に入りました。こちらも時価総額1,000億円超え、67%を超える自己資本比率、PBR1倍以下、さらに4.5%を誇る配当利回りと大変魅力的に見えます。
ただしこちらも一株あたり配当金額が一株あたり純利益を超えてしまう、たこ足状態なのが残念なところです。また、一株あたり配当金の150円には10円分の記念配当が含まれているため、実力としては140円配当の株と考えた方が良いでしょう。
それでも4.20%という高い配当利回りは確保できますから充分魅力的と言えます。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第8位:デクセリアルズ(4980)★
時価総額 | 795億円 |
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自己資本比率 | 51.7% |
PBR | 1.53 |
現在の株価 | 1,046円 |
予想1株あたり利益額 | 50.1円 |
予想1株あたり配当額 | 55円 |
予想配当利回り | 5.26% |
第8位に入ったデクセリアルズは旧ソニーケミカルが再上場した会社です。ニッチな電子部材などに強く独自色があります。
2015年の再上場後2016年6月まで株価はひたすら下降を続けましたが、昨年末以来持ち直しつつあります。
51%の自己資本比率を誇り、配当利回りも驚異の5%越えとなっています。こちらもたこ足配当なのですが、リストラの効果が出始めてきており、今後実力での配当支払いに期待がかかります。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
追記:6/20デクセリアルズが急遽高騰、資産額過去最高を牽引する
第7位:武田薬品工業(4502)★
時価総額 | 42,089億円 |
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自己資本比率 | 47.8% |
PBR | 2.10 |
現在の株価 | 5,138円 |
予想1株あたり利益額 | 117.8円 |
予想1株あたり配当額 | 180円 |
予想配当利回り | 3.50% |
高配当株で有名な武田薬品工業が7位です。同株については、月のマグマも先日初めて購入して最低単元ではありますが株主になりました。
⇒配当権利落ち日に配当利回り3.5%を越えた武田薬品工業を買い【高配当株】
高配当株投資の話題では必ずといっていいほどその名があがる銘柄です。そして、取り上げられる時には必ず「たこ足配当」への懸念が語られます。
月のマグマもたこ足配当は喜ばしいこととは思っていませんが、株主へ配当を支払おうという企業の姿勢としては大いに評価する立場です。
業績なんて所詮は水物です。良いときもあれば悪い時もあるのが企業経営というものでしょう。しかし経営者の株主に対する姿勢というものはそうそう変わるものではありません。たこ足配当をしてでも配当を払ってくれる経営者ならば、きっと業績が回復したあかつきにはもっと配当を出してくれると期待できます。そもそもが業績回復できるかどうかが未知数では困るのですが・・。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第6位:ネットワンシステムズ(7518)★
時価総額 | 742億円 |
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自己資本比率 | 58.9% |
PBR | 1.35 |
現在の株価 | 880円 |
予想1株あたり利益額 | 53.2円 |
予想1株あたり配当額 | 30円 |
予想配当利回り | 3.41% |
ネットワークインテグレータの国内大手企業ネットワンシステムズが堂々の第6位入りです。
無借金経営で筋のいいクライアントを持つ安定企業です。積極的な配当姿勢でしたが、たこ足配当が続いていました。
それが2017年3月決算でついに一株純利益が一株配当を上回る健全配当に転換する見通しであり、その優良高配当株としての存在感を急速に増している銘柄です。そのため株価は回復傾向にあり、一時に比べて配当利回りの魅力は減じましたがまだまだ魅力的な水準です。
⇒ネットワンシステムズを一部売却して利益確定【第4週終了運用報告】
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第5位:黒田電気(7517)★
時価総額 | 903億円 |
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自己資本比率 | 59.9% |
PBR | 1.21 |
現在の株価 | 2,252円 |
予想1株あたり利益額 | 114.3円 |
予想1株あたり配当額 | 95円 |
予想配当利回り | 4.22% |
村上ファンドに狙われた黒田電気が5位にランクインしました。
月のマグマは物言う株主に狙われる銘柄は個人投資家向けの株だと思っています。何故なら利益を何よりも重視する彼らが買うということは絶対に損しない銘柄だからです。
たいていそういった勢力に狙われる銘柄というのは旧態依然たる企業体質で、株主軽視の会社が多いです。そして余剰利益を有効活用しもしないで内部留保ばかり厚くしている傾向があります。
時にそういった会社は営利目的のファンドの買収に晒されることがショック療法となり、株主重視の経営に転換する好機となることがあります。
黒田電気がそういった企業だと言っている訳ではありませんが、一連の騒動のおかげで配当が大増額されて投資家にとってはうれしいことこの上ありません。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第4位:シナネンホールディングス(8132)★
時価総額 | 351億円 |
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自己資本比率 | 49.1% |
PBR | 0.62 |
現在の株価 | 2,099円 |
予想1株あたり利益額 | 169.5円 |
予想1株あたり配当額 | 75円 |
予想配当利回り | 3.57% |
LPガスや灯油主体の燃料商社シナネンホールディングスが第4位に入りました。月のマグマの大好物の地味系銘柄です。
今回のスクリーニング条件の時価総額300億円にぎりぎりでパスした中小銘柄ですが、堅い商売というのは企業規模の大小を超えた安心感があります。
自己資本比率49.1%、PBR0.62倍と、この株を買わずに何を買うという数字が並びます。こういった銘柄を買って長期保有することこそが株式投資の王道です。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第3位:スペース(9622)★
時価総額 | 318億円 |
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自己資本比率 | 80.1% |
PBR | 1.15 |
現在の株価 | 1,316円 |
予想1株あたり利益額 | 109.2円 |
予想1株あたり配当額 | 50円 |
予想配当利回り | 3.80% |
商業施設などの店舗設計・施工を得意とするスペースが第3位にランクインです。80%を超える自己資本比率、3.8%という高配当利回りに加えてスペースの魅力は12月決算銘柄だということです。
日本のほとんどの銘柄が3月決算なのに対して、他の月を決算月にしている銘柄を保有すると、年間を通じて複数のタイミングで配当を受け取ることが出来とても嬉しいです。
eコマースが時代の趨勢とすると真逆を行く実店舗を商圏としていますが、当面は実物を見て購入するという消費形態は無くならないと思われ、大丈夫と思います。
月のマグマも先日4/4にナンピン買いを行っています。
⇒高配当株スペースから配当受取るも資産額はブログ開始後最低を記録
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
追記:6/19配当権利日を前にスペースを100株分売却・利益確定
第2位:積水ハウス(1928)★
時価総額 | 12,777億円 |
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自己資本比率 | 48.8% |
PBR | 1.23 |
現在の株価 | 1,798円 |
予想1株あたり利益額 | 188.4円 |
予想1株あたり配当額 | 64円 |
予想配当利回り | 3.56% |
大手住宅メーカーの積水ハウスが第2にランクインです。
日本の住宅は大まかに分けて従来工法とプレハブ工法がありますが、同社はプレハブ工法による住宅建設の大手です。
これだけの企業規模と、住宅という大きな運転資金を必要とする事業セグメントで商いを行いながら、自己資本比率48%という驚異的な財務体質を誇る優良企業です。また1月決算企業ということで、配当の受取タイミングの複数化という意味でも大変貴重な銘柄です。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
第1位:キヤノン(7751)★
時価総額 | 43,907億円 |
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自己資本比率 | 54.2% |
PBR | 1.29 |
現在の株価 | 3,375円 |
予想1株あたり利益額 | 160.2円 |
予想1株あたり配当額 | 150円 |
予想配当利回り | 4.44% |
堂々の第1位に輝いたのは永遠の高配当株の王者キヤノンです。同社が1位に輝く何よりの理由はその圧倒的な収益力と株主重視の姿勢です。同社はここ10年を見ても一度も減配をしていません。
インクジェットプリンターのインク商法等せこいところは気になりますが、落ち目の東芝からきっちり旨みのある資産を買い取ったり非常に抜け目が無いです。かなりご年配となっている御手洗さんの後どうなるかは不安ですが、天下のキヤノンが倒産することは無いでしょう。
※上記株価チャートはヤフーファイナンスより引用
追記:4/27急遽株価が上昇したキヤノンを一部売却し利益確定
まとめ
以下2017年4月14日現在、月のマグマが選ぶ高配当株トップ10まとめておきます。
第1位:キヤノン
第2位:積水ハウス
第3位:スペース
第4位:シナネンホールディングス
第5位:黒田電気
第6位:ネットワンシステムズ
第7位:武田薬品工業
第8位:デクセリアルズ
第9位:リョーサン
第10位:新光電気工業